平成12年度7月 最適化とアルゴリズム研究部会
- 日時:7月8日(土) 14:00 〜 17:30
- 場所:上智大学7号館12階第1215号室
- 発表1:日吉 久礎 氏 (群馬大学 情報工学科)
- 『多次元 Voronoi 補間の実用化に向けて』
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多次元補間は, 偏微分方程式, 最適化問題, 形状モデリング等に応用を持つ,
基礎的な数値的手法である. 現在, 実践的には有限要素法が多次元補間法とし
て用いられることが多い. その他の多次元補間のアプローチの一つとして,
Voronoi 図を用いるアプローチがある. Voronoi 図を用いるアプローチは, 今
まで補間公式を構成する方法が自明でなかったため, 知られている補間公式の
数が少なかったが, 近年, 補間公式を構成する方法が提案され, 実用化への道
が開けた. 本発表では, この構成方法を紹介し, Voronoi 補間を偏微分方程式
等の実際的な問題へ応用する際の枠組を考察する. また, Voronoi 補間と有限
要素法とを比較し, 利点と欠点を考察する.
- 発表2:矢部 博 氏 (東京理科大学 応用数学科)
- 『非線形最適化問題に対する主双対内点法
(Primal-dual interior point methods for nonlinear optimization problems)』
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線形計画法における内点法の成功に刺激されて、近年、非線形計画法の
分野でも(1960年代の古典的な内点法とは別種の)新しい内点法の研究が
活発になされており、大規模な非線形最適化問題に適用されつつある。
本発表では、主双対内点法を中心に、アルゴリズムや収束性に関する研究の
現状を紹介する。
まず、アルゴリズムを構築するためにバリヤKKT条件とシフト付きバリヤKKT
条件を導入する。
また、大域的収束性を実現するための直線探索法と信頼領域法について述べ、
局所的収束性として超1次収束性や2次収束性についても議論する。
さらに、Maratos効果を回避して大域的収束性と局所的超1次収束性を
両立させるための非単調アルゴリズムや、退化した問題(1次独立制約想定が
満たされない問題など)に対する収束速度の研究についても若干触れたい。
キーワード:
非線形計画法(nonlinear programming),
主双対内点法(primal-dual interior point method),
収束性(convergence)
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