多くの美しい模様の対称性と周期性は群論で支配されますが,フラクタル性と準周期 性に支配される模様もあり,近年そのような原子配置を持つ物質の特異な物性が注目 されています.私は,そのような(準)周期性を発見するための計算論的な手法に興 味があり,また準周期的性が発案された(関数・ディオファントス)近似理論により 高速な近似の手法を考案したいと考えています.
ナノテクノロジー,バイオ,超臨界と全く異なる分野の融合領域で仕事をしておりま す.今まで,数学とは全く縁がありませんでしたが,フォーラムで幅広い話題が聞く ことができ,発想の融合で,何かをつかめればと期待しております.
流体シミュレーションが単なる解析技術にとどまらず,設計者の発想を支援し「もの づくり」の役に立つ技術となることを目標にしています.研究面では,流体のシミュ レーションから,進化的計算法,多目的最適化,応答曲面法,データマイニングと使 用する数理モデルが広がってきました.高次元可視化,時系列解析やデータ同化にも 興味を持っています.フォーラムで幅広い話題が聞けることを期待しております.
医学系研究科生体情報学分野で神経生理学の実験的研究を進めています.海馬,小脳, 延髄,末梢神経節等をモデルにシナプスやニューロンの機能を解析してきました.脳 の数理モデルや細胞のシュミレーション,確率論的進化論,bioinformatics等にも興 味があり,最近はIT技術を応用したユニークな発想でこれまでの研究を補強できな いかと模索中です.数学には例外がありませんが,生命科学は例外だらけです.それ ぞれが数学と生命科学の魅力にもなっていますが,本フォーラムを通じ応用数学から の刺激と啓発を期待しています.
従来の実験の説明から,新たなパラダイムとしての新物質の予言が可能なクーロン多 体系問題の精密解法理論の確立を目指し,スーパーコンピューターを活用したシミュ レーション計算により,基本の基本である原子の量子力学からナノテクノロジー用デ バイス設計開発までに対し,教科書を書き直すレベルの研究を目標に努力しています.
数学科出身の産科医です.生命を複雑系として捉える場合,複雑系が生命として機能 する最小単位(マイクロオーダーの生物学)とその計測技術,非線形非定常信号の解 析手法が必要になります.この領域では,ゆらぎと散逸構造が当たり前のように作用 し合い,機械的な動きと確率論的な動きが等価値を持って現象に現れてきます.現在, 複雑系が発生する胎児の生理学を中心に,これらの学問を地道に進めております.
プログラミング言語理論とそれに基づくプログラム検証・変換などの研究をしていま す.プログラム理論は,どちらかというと論理学などの数学基礎論とのつながりが強 い分野ですが,プログラム検証では,線形不等式制約を始めとする種々の制約解消問 題のアルゴリズムも必要となります.またソフトウェアセキュリティ関連では暗号理 論・確率論も重要となりますので,本フォーラムを通して新たな研究のアイデアが得 られるとよいと思います.また,数学は趣味としても学んでいきたいと思っています ので,よろしくお願い致します.
与えられた条件の下でもっとも良い答えを見つけるという,最適化問題について理論 的な研究を行っています.最適化問題は,連続変数を扱う連続最適化と,整数のよう な離散変数を扱う離散最適化に大きく分けることができますが,私は離散最適化を主 に研究の対象としています. 現在は,解きやすい離散最適化問題はどのような構造を 持っているか,進めています.
時間可逆な(対称)マルコフ過程,特にその大偏差原理に関わる話題に対して,ディ リクレ形式を用いて解析することを行なってきました.応用を意識して数学をやった ことはないのですが,個別のマルコフ過程の詳しい解析をめざすことで,少しずつ応 用にシフトしたいと思っています.
東北大学病院でメディカルITセンターと循環器内科とを兼務しています.日々蓄積す る臨床データのデータベース化や臨床研究への架け橋となるデータマイニング,さら には臨床行動のモデル化に取り組んでいます.また,日本バイオインフォマティクス 学会の東北地域部会としてバイオインフォマティクス的手法の普及と人材育成とを考 えています.いずれにおいても数学との関わりは強く,自分自身の理解不足を痛感し ています.本フォーラムを通じてご教授いただければ幸いです.
学部から博士課程まで物理教室で教育を受けましたが今は数学教室にいます.自然科 学の理論の根底にある新たな数学的構造を発見したいという意味で,数理物理学を研 究しています.くりこみ群と呼ばれる,1970年代に確立した理論物理学の描像を,無 限自由度のランダムな現象を解析する数学として確立する手がかりを探しています.
幾何学,特に幾何学的群論が専門です.幾何学的群論とは無限離散群について幾何学 的な手法をつかって研究する分野です.幾何学的群論は,双曲幾何やリーマン幾何, 距離空間の幾何学,結び目などのトポロジー,組み合わせ群論や無限群に関するアル ゴリズムについての研究などとの関連が強く,このような分野との相互関連のなかで 研究を進めています.
加齢経済担当.人口構造の高齢化が社会経済に及ぼす影響と,現在の社会経済制度が 出生行動に及ぼす影響を近代経済学の手法で分析しています. 個人の行動を予算や 時間の制約条件下での効用関数最大化モデルを作り,理論的に概観した後に,実証デ ータで回帰分析をするというパタンが多いです.経済学は,事態を「多い少ない」と いう問題に還元して考えることが多いので,数学の活躍できる場は多いと思います.
規則的な原子配列構造がナノサイズで乱れた構造(欠陥)はその密度が低くて も種々 の物性に影響,さらに支配します.その原子構造や基礎物性,成因を明らかにし,欠陥 を積極的に利用し,新機能の源とすることを目標にしています.特に,基幹半導体材料 であるSi,SiGe,新規機能性半導体SiC,GaN, ZnO等について,転位や点欠陥の構造や その発生,変性を,固有な物性をマルチスケールで観察しています.我々の実験的観察 による解明には,欠陥モデルに基づく理論的検討が不可欠であり,フォーラムでの支援 を期待します.欠陥はあまりポジティブな印象がありませんが,一病息災といわれます ように,よ く知り,うまくなだめ,共に生きることが重要だと考えます.
遺伝学,分子生物学をベースにして,植物の受粉反応の理解を使用としています.数 学とは縁がなくて最近まで来ましたが,遺伝学の基礎には統計学があり,品種改良で ある育種学の基礎には,実験計画法があり,数学とはそれなりに縁があります.受粉 を制御している遺伝子は,花粉と雌しべで共進化をしており,そうしたことが「数学 的美しさ」と関係があるのかも興味があります.2000年以降,遺伝子発現を網羅的に 解析ができるようになり,大量の数字をどう扱えばよいのか,日々,悩んでおります. そうしたことを,このフォーラムを通じて,ご指導,ご協力いただけると幸甚です.
ネットワークのモニタリングの研究をしております.ルーター,サーバーから取得し たパケットの情報から,DDosアタックを受けている可能性があるコンピュータを探す 手法を考えております.研究成果を出し,来年無事に卒業できるよう最大限努力して おります.このフォーラムを通して,皆様からのご協力,ご支援を頂けると光栄です.
学部時代はHTMLデータからの自動情報抽出についての研究,現在はメッシュネットワ ーク上のルーティングについての研究をしております.第一回目のフォーラムは様々 な分野のとても興味深い話題ばかりで私にとって非常に有意義なものでした.これか らもこのような面白いお話を聞かせていただけれることと期待しております.
数学とアルゴリズムについて興味があって,情報科学で計算機科学の博士課程を勉 強しております.具体的には,研究テ−マは施設配置に関して,アルゴリズムの設 計と解析を研究しています.
費用を抑えたり,時間を短縮したりするような最適化問題に対して,コンピュータに 効率良く学習させる手法を計算量や近似の良さから確率的に解析する研究しています. また,ACM/ICPCの国際大学対抗プログラミングコンテストに参加して,普段学んでい る離散数学の理論を実際にプログラム上で活かすことについても勉強しています.
Webからの自動情報抽出について研究をしています.Web上にはさまざまなデータがあ りますが,中でもサーバによって自動的に作成される画一的な構造を持つページから 自動的に意味のある情報を抽出し,それらを属性ごとに分類する手法について考案し たいと考えております.現在抱えている問題は,情報の分類を何か既存の方法に帰着 して解こうと考えてグラフの最適分断化問題や最適化問題で試してみましたがなかな かうまくいかないことで,このフォーラムを通じて更に勉強し,問題解決の糸口を掴 めればと思っております.
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